リハビリテーション医療DX研究会 第1回学術集会

大会長挨拶

 リハビリテーション医療デジタルトランスフォーメーション(DX)研究会は、リハビリテーション医療におけるデジタルトランスフォーメーションを推進することに寄与し、学術および科学技術の振興により公衆衛生の向上、医療と産業の発展に寄与することを目的として、2022年2月に設立されました。本会では、標準化された手法で取得された測定値を構造的データとして集積することのリハビリテーション医療にもたらす利益についての議論、さらには、臨床現場で標準化された手法を用いるためにはデジタル技術を効果的に活用する環境整備が重要であるため、リハビリテーション医療機器や情報システムの規格化、そして社会実装についての議論を実施してまいります。

 以上を踏まえて、本会の第1回学術集会を、2023年(令和5年)4月22日(土)~23日(日)に八重山諸島で開催させていただきます。会場は沖縄県石垣市の「アートホテル石垣島」です。DX社会の実現を考えるにあたり、あえて交通アクセスの不利な地域を選択いたしました。我が国のどの地にいても、標準的なリハビリテーション医療を提供することを実現するには、まさに本学術集会の意義を問われていると感じています。

 本学術集会のテーマは「リハビリテーション医療DX宣言 青い海(Blue Ocean)から!」としました。青い海とはブルー・オーシャン戦略を指しており、これまで存在していない新しい市場を創出することで新領域に事業を展開していく戦略です。ブルー・オーシャン戦略を実行するには、バリューイノベーション(価値革新)が重要であり、革新的な技術を用いてその事業の価値を高めていくことが求められます(W・チャン・キムら 2015)。従来のリハビリテーション医療では個別の障害毎における多数の評価を行い、リハビリテーション計画を立案してまいりました。リハビリテーション医療におけるブルー・オーシャンは、例えばAIによる画像や音声データ、発症前情報の解析といった、まさにデジタルトランスフォーメーションを進めることで地域格差を解消することではないでしょうか。個々の医療機関等で実施された様々な検査や評価がクラウド上にアップロードされることで、瞬時にAIによる解析が行われ、それが軸となりリハビリテーション計画が検討されるといった流れがみえることで、これからのリハビリテーション医療が大きく変わる可能性を秘めているといえます。本学術集会がその第一歩になるよう、参加者の皆様としっかり議論し、新しい学びや気づきを生み出していくような会になることを願っております。最後に多くの方の参加を心よりお待ちしております。


リハビリテーション医療 DX 研究会 第 1 回学術集会
大会長 近藤 国嗣
(医療法人社団 保健会 東京湾岸リハビリテーション病院 院長)

PT-OT-ST.NET様に近藤国嗣大会長のメッセージ動画を掲載いただきました。
本学会の趣旨や魅力を紹介させていただいておりますので是非ご参照ください。