第36回日本保健医療行動科学会学術大会

大会長の挨拶

第36回日本保健医療行動科学会学術大会
大会長 樋口 倫子(明海大学 外国語学部)


この度、2022年6月18日(土)-19日(日)、第 36回日本保健医療行動科学会学術大会を開催させていただく運びとなりました。開催に際し、多くのみなさまのご支援とご協力に心から感謝申し上げます。対面での開催の可能性について、実行委員会で協議いたしましたが、昨今の感染状況の予測が立たない事情を鑑み、今回もWeb開催といたしました。現在、Web学術集会ならではの多彩なプログラムを計画しております。
本学術集会では、「対話する保健医療」をメインタイトルとしました。34回大会35回大会では、「当事者性」や「専門家としてのあり方」について、考える機会となりました。専門職が当事者性を大切にし、「私たちごと」としてかかわる態度がより一層必要であることを確認しあえた学会でした。
 社会は、より民主性平等性の実現に向けた動きが加速しています。保健・医療・福祉・心理・教育の領域においてもコミュニケーションは、より平等で対等な関係のもとに変化し続けています。それは、コミュニケーションの取り方の平等性や対等性を指すだけではありません。よりよい生き方やあり方を実現する支援として、介入・治療・教育というモノローグの姿勢から、協働・相互接続・創造というダイアローグの姿勢の実践が必要となることを意味しています。本学会は、設立以来、人々のよりよい人生を支える保健医療を考え続け、問い続けてまいりました。従来の行動変容を求める保健医療から、「共に変わる」「関係の中で意味は変わる」という対話型の保健医療へのパラダイム変換が進行しています。第36回大会においては、Wellbeingを育む保健医療の実践について、皆様と対話し、体験を共有し、アイディアを創発する機会にしたいと思います。皆様のご参加を心からお待ち申し上げております。