第31回日本新生児慢性肺疾患研究会

本研究会会長挨拶、特別講演抄録、プログラムを掲載しました。

第31回日本新生児慢性肺疾患研究会会長
埼玉県立小児医療センター 総合周産期母子医療センター長 新生児科部長
清水正樹


第31回日本新生児慢性肺疾患研究会.pdf

この度、日本新生児慢性肺疾患研究会からのご指名により、第31回日本新生児慢性肺疾患研究会をお世話させていただく運びとなりました。大変光栄なことと存じますと共に、重い責任を感じつつ準備を進めております。会期は2018年10月20日(土)、場所は埼玉県立小児医療センター6F講堂で開催を予定しております。   本研究会は、1988年9月に、久留米で聖マリア病院新生児科部長の橋本武夫先生が第1回の会長(世話人)として始まった新生児慢性肺疾患に関して検討する研究会です。第3回からは、新生児慢性肺疾患研究会と改称し、新生児慢性肺疾患の予防や治療に関する活発な討議が行われてきました。第27回までは、新生児肺疾患に関する研究発表を活発に行っている施設が施設会員となり運営をしてきましたが、施設会員以外からの参加希望が多く寄せられたことから、第28回からは、施設会員以外の方々も参加できるようになりました。  研究会の成果を新生児慢性肺疾患における医療レベルのさらなる向上につなげるとともに、新生児医療全般のレベル向上にもつなげていく所存です。

<プログラム>はこちらのpdfをクリックしてください。
プログラム20180926.pdf

抄録はこちらをクリックしてください。
抄録公開用 20180926.pdf


特別講演(専門医機構:小児領域 1点)

『呼吸器の発生・再生ロジック』

演者:森本 充 先生 国立特定研究開発法人 理化学研究所 生命機能科学研究センター 呼吸器形成研究チーム チームリーダー
【講演要旨】
 私たちが吸い込んだ空気は気管に集約され、そこから23回分岐する気管支で振り分けられ、6億個あると言われる肺胞に到達する。呼吸器の精密な組織形態は遺伝子にプログラムされていると考えられ、古くから学者たちを魅了し続けてきた。吸気が気管—気管支を通過するとき、気道上皮細胞の機能によって空気は浄化される。肺胞ではガス交換を高効率に行うため、面積を最大化する特殊な形態と機能を持った細胞が待ち受けている。肺の上皮細胞の異常は多様な疾患と深く関わっている。しかし、呼吸器の成り立ちが分子レベルで解明されてきたのはごく最近のことである。生理機能と組織形態を支える多様な上皮細胞は、全て胎児期の上皮幹細胞に由来することがわかっている。気管支の複雑な枝分かれのタイミングもまた、先端部の上皮細胞の増殖制御によって決まっていると考えられている。
一方で成体では、呼吸器は内蔵でありながら常に外気に触れるため外来因子による障害、感染による損傷が一定の頻繁で起こる。損傷によって失った組織は、いわゆる組織幹細胞の増殖と分化で再構築され、正常な機能が再生される。そのため、呼吸器は損傷—再生のモデルとしても長く使われてきた。
本セミナーでは、呼吸器の発生と再生にまたがる根幹的な生命現象の研究について講演を行う。とくに隣接細胞間シグナルであるNotchシグナルの解析を切り口に、発生—再生—疾患に共通する細胞運命の選択機構について紹介する。

施設見学 10月20日10:30~
埼玉県立小児医療センター総合周産期母子医療センター
NICU30床/GCU48床、アイランド型ウォールケアユニット、FCC室2室、半個室化など、従来のNICU/GCUの概念を払拭した、ユニークな設計を取り入れたちょっと変わったNICU/GCUです。
本研究会ホームページからの事前予約制となります。先着50名様。詳細は後日。

会員懇親会
研究会終了後に病院に隣接している 「ホテル・ブリランテ武蔵野」 で、会員懇親会を行います。会費5,000円(予定)